女性の同僚と飲みに行っても,それを秘密にする話（上）

「え、そうなんですか？」

 彼は目を丸くします。 

「知らなかったなー。そういうものなんですか・・」 

もうずいぶん前ですが、私が年下の友人A君に、

恋愛についてちょっとした アドバイスをした時のお話です。 

当時彼は20代半ば。 

「超イケメン」とまでは言いませんが、容姿、スタイル、 

勤務先、年収・・などの条件については、

世間一般からみると かなり「好条件」といえるほう。 

男女、世代を問わず、友人も多く、明るくサッパリとした性格で

いわゆる職場の人気者タイプ。 

そんな彼は、もう何年も特定の彼女がおりません。

当人は彼女が欲しくて、欲しくてしょうがないのですが、

 いいところまでいっても、結局ダメになってしまうのです。  

それについて、色々な人がアドバイスをしてくれます。 

曰く、デートコース、誘い方、趣味を変える・・・。 

ただ、目に見えた成果は得られません。 

 そんな彼に、ある日私はこんな話をしました。

「Aくん。仕事帰りに、同じ会社のまあまあ仲の良い女性と偶然会って、

『ちょっと、２人で軽く飲みに行こうか』っていう事ってない？」 

「それは、ありますよ」 

私は、尋ねます。 

「では、その女性と2人で1時間位軽く飲んで、それぞれ、家に帰ったとするね。

 さて次の日、会社に出勤して、同僚などに、そのことは、話す？」

「まあ、多分しますよね。昨日、〇〇さんと、軽く飲んだよ、

ぐらいの話は、すると思いますよ。

別にお互い恋愛感情が無くて、ちょっと仲が良いくらいの

間柄であれば、隠しておくこともないですしね。」 

「飲んだ時に、〇〇さんと話した内容は？」 

「まあ、相手から『ここだけの話だから、言わないで』と言われたら別ですが、

 話しても問題なさそうだな、と思えば、多少は話すかも。

『昨日、〇〇さんから、聞いた話だけど』って」 

そこで、私は、アドバイスをします。 

「今後、もしそのような事があっても、

周囲の人には、言わないでいてみてはどう？

飲みに行ったことも含めて全て」

彼は、びっくりした様子です。 

「えっ。飲みに行ったことも話さない？

別に付き合っているわけでも、何でもない人となのに、ですか？」 

「そう、飲みでも、お茶でも、

女性と2人きりで行ったのであれば、

自分からは、絶対にそのことは言わない。

そんなことがあったことも、におわせもしない。

もちろん、相手の女性が、言うのはまったく構わない。

ただ、A君からは言わない。」

私は続けて言います。

「A君は、彼女が欲しいんでしょ？

とにかく騙されたと思って試してみて。絶対に。」 

さて、「同僚の女性と飲みに行っても、それを秘密にするA君」

はその後、どうなったでしょうか？

次回は、その後の お話です。