（つづき）女性の同僚と飲みに行っても,それを秘密にする話（下）

さて、

「女性の同僚と飲みに行っても、それを秘密にするA君」

のその後のお話です。

彼はなんと半年後、結婚をしてしまうのです！ 

お相手は、同じ職場の同僚で、

しょっちゅうグループで飲みに行っていた女性、Bさんです。 

ただ、2人は特段に仲が良いとまでは言えず、

むしろBさんから

「A君とだけは、付き合う事はあり得ない」 

と過去に言われたこともあったとか。 

交際の馴れ初めは、

いつものようにグループで飲みに行った後、 

帰りが同じ方向のBさんをA君が、

「ちょっと飲みに」と誘った事が

きっかけとの事。 

そして交際がスタートするのですが、

A君は、どんなに仲の良い同僚にも、

婚約発表までBさんの事は、

話さなかったそうです。 

お相手への「本気」の示し方は人それぞれです。
 

ただ、A君のようなキャラクターの場合、

「言わない」という態度こそが、Bさんに対する

「本気」の最良の伝え方

であり、それがBさんの心の琴線に触れた事は、

間違いがないでしょう。  

そしてそれが、A君に対する

「信頼感」

となり、

 A君を「付き合うことなんか、考えられない人」から

「彼氏」そして「夫」たる地位にまで、

一気に駆け上がらせてしまったのです。 

「人から信頼を得る」

世の中でこれほど大切な事はありません。

どんな強大な企業でも、国家ですら、信頼を失ってしまえば、

滅びることすら、あります。

個人にしろ、企業にしろ、国家にしろ信頼を得るがために支払う、

努力とコストは、並大抵のものでは、ありません。

ところが、

「言わない」

それは、努力もコストも要りません。

（まあ、多少、黙っていることは苦痛ですが、人を感動させる話をしろ、

笑わせる話をしろ、と言われるより、黙っているほうがよっぽどラクです）

それで、究極的な信頼を勝ち得てしまうのです。

なんと、恐るべし！

「沈黙は金なり」

古くから、伝わるこの言葉は、まさに至言です。

この「言わないことにより、信頼を勝ち取る方法」は、

女性の方にも、オススメさせていただきます。

例えば、あなたが職場で男性から、

お誘いを受けられたとします。 

お好みのタイプではなく申し訳ないけれど、

お断りされた場合でも

その事については、そっと胸に秘めておく。 

なにかと、男女の事は気を使うご時世ですし、

男性って気軽に誘ってそうに見えて、

案外かなりの勇気をふりしぼって

誘っているもの（プライドも高いですしね）。

お相手のプライドと立場を忖度(そんたく！)されて、

黙っておいて差し上げれば、

彼が仲の良い同僚との居酒屋での席で、 

「ふられちゃったけどさー。〇〇さんは、ホントに人の気持ちを分かってくれて、

良い人だよ」

と、あなたの素晴らしさについて、話されていること、

請け合います(たぶん・・です）。

そして人間って結構、人様から影響を受けやすいので

その話しを聞いた同僚の方は

「へー、〇〇さんて、そういう人なんだ。優しいんだな。

今度、ゆっくり話をしたいな」

と思われて、実はその同僚の方は、あなたが密かに憧れていた人・・

なんてことも、ないとは言えません（もしかしたら・・です）。

風の便りに聞きますと、いま、A君は、

幸せな結婚生活をしており、一児のパパだそうです。

このA君とのお話は、結婚相談所の開業など、

まったく考えていなかった時のものですが、

その後の起業のきっかけとなった

出来事であることは間違いありません。

ささやかながら

「人を笑顔にする」

お手伝いが出来たよろこびと、

ほんのちょっとの自信と誇りを、

私に与えてくれた、若き日の、大切な思い出の一コマです。